ちってゆくのをみたら
けふはじめて
さくらがさいてゐたことを
つうせつにかんじた
八木重吉 詩
薄桃色の濃淡は 次々に見頃を迎え
私たちを楽しませてくれます
…がなぜか 昔から私は その樹下に立つと
切なさと哀しみにも包まれます
程なく 葉桜の頃が訪れ この短歌を思い出すと
少しエゴイスティックな気持ちにクスッとするのです
「葉桜を見に行くならば雨上がり 私でなくてはいけない人と」
俵 万智 うた